女王の死を受け、私たちの多くが感じている並々ならぬ喪失感を、私よりはるかに優れたペンが表現しています。不確かな世界において、女王は私たちの多くが無意識のうちに人生をナビゲートしてくれた定点のひとつでした。その定点を失うことで、私たちは突然、羅針盤もなく、大海原に放り出されてしまうのです。
私たちの家業は70年以上にわたって女王のために手袋を作り続けており、このような大きな物語の中でほんのわずかでも役割を果たせたことを本当に誇りに思います。
女王に実際に会ったことがあるかとよく聞かれますが、実はあります。
私たちの普段の関係は、女王のワードローブを管理し、女王の長年の親友である、尊敬すべきアンジェラ・ケリーによって完全に管理されています。何年か前、英国王室御用達協会がバッキンガム宮殿でクリスマス・フェアを開催しました。
フェア2日目の午後、王室訪問の噂が。会場は期待感に包まれ、ある瞬間、長い通路の端に、小柄でエメラルドグリーンのスーツに身を包んだ見慣れた人影を見つけました。私の困惑をよそに、彼女は一直線に私に向かってくるように見えたのです。
ほんの数秒で、私は王室の前にいることに気づきました。私は身支度をする暇もなく、一部お辞儀、一部お辞儀のような、下手で不器用な動きしかできませんでした。
「こんにちは。
「陛下、私は手袋職人です」。
私は まさに という返事が返ってきました。
残念ながら、その後のやりとりはまったく覚えていないので、歴史の彼方に消えてしまいました。私は魔法にかけられたように、向かいの人物の輝きに完全に心を奪われ、ほとんど魔法のような偶然の出会いの記憶が残っています。
星に打たれましたか?もちろん。これは合理的?そんなことはありません。しかし、私の変わらぬ印象は、歴史と神秘と華麗さに包まれ、1000年以上にわたって発展してきた君主の役割が、占領者の個性に完全に取って代わられた、歴史上数少ない時代のひとつだったということです。
私たちはとても恵まれています。
ジュヌヴィエーヴ・ジェームズ
クリエイティブ・ディレクター
コーネリア・ジェームズ